戦勝記念日をロシアで迎えて

今朝からサンクトペテルブルグに移動しました。

5月9日はロシアでは、
(ソ連時代から)戦勝記念日という祝日です。

これは、
1945年に第二次世界大戦において、ドイツを破った記念の日ということのようです。

ここサンクトペテルブルク(旧レニングラード)では、
メインストリートを一時封鎖し、
夕方から退役軍人たちがそれはそれは華やかにパレードをします。

そして、今回そのパレードを見学することが出来ました。

もうすっかりお爺さんになっている退役軍人の方々が、
ピカピカの軍服を着て、胸にはたくさんの勲章をつけ、堂々と胸をはって、
誇らしげに手を振りながら、鼓笛隊のマーチとともに、ゆっくりと歩いてきました。
中には、退役軍人や戦没者の妻ということなのか、胸に勲章をつけたお婆さん達もたくさんいました。

沿道からは温かい拍手とエールをうけ、子ども達や女性たちが、その元軍人さん達にカーネーションを手渡していました。
中には抱えきれないくらいのお花を抱いて歩いている方もいます。
過去の活躍に感謝し、心から讃えているようでした。


それを見ていて、
なんだか日本と比べてしまい、
なんとも切ない気持ちになりました。

1945年5月9日に、ロシアが勝ったとしているドイツとは、当時日本は連合を組んでいました。
そして同じく日本も戦争に敗れたわけです。

その当時戦ったどこの国の軍人も、同じように国や家族を守る為に戦っていたし、
平和と幸福を心から願って戦っていたのは間違いない。しかも、命をかけて。

ところが、
そんな軍人達に対しての対応や接し方、敬い方がまったく違うことにショックだったのです。

戦争が終わって68年たった今も心から敬い、尊敬し、讃え続けるロシア。
毎年こんな大イベントをやるのだから、ひとりひとりがそのことを胸に刻み、
先人達に感謝するのは自然なことなんだろうな。
元軍人さんの誇らしい顔ったらなかったもの。
心から、そう思いました。

それにくらべて、
日本はどうなんだろう?

戦争そのものを悪ととらえ、
まるで当時の日本軍が悪者かのような自虐史観にとらわれた日本人の多いこと。

何故戦争にならざるを得なかったのか?
何故敗れるのがわかっていたのに、それでも戦うことをやめなかったのか?
何故命をはって、特攻するにいたったのか?

そこに、どんな思いがあったのか?
そこに、どんな覚悟あったのか?

同じく国を守ろうとして戦った先人者達に、
私たち日本人は、感謝しているのだろうか?
心から敬っているのだろうか?
その勇気を讃えているのだろうか?

どこが正しかった、どこが悪かったという問題ではない。

65年以上経てもなお人々が戦争を忘れていないこと。
国のために戦った先人達が堂々とネフスキー大通りを行進できること。
そして若い世代が彼らに対する感謝の気持ちを、言葉で、態度で表現すること。
いずれも当たり前と言ってしまえばそうかもしれない。
だがこれらいずれも、残念ながら私は日本で目にしたことはない。
それだけに、今回ロシアにおいて戦勝記念日を経験した衝撃は大きかったのです。